成年後見制度について学ぼうセミナーの様子:茨城県龍ヶ崎市役所主催
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成年後見制度について
茨城県龍ヶ崎市主催の2回講座中の1回目、「成年後見制度について学ぼう」について90分お話してきました。昨年、龍ヶ崎市で行ったセミナーが好評だったとのことで、今回も頂いたご依頼です。
これから先、認知症になるかどうかは分かりません。しかし、認知症になってしまったときには自分で行えない行為が増えるため、それを誰かに行ってもらわなければなりません。
そのような場合に利用するかもしれないのが成年後見制度です。
成年後見制度利用の前に知っておきたいことがある
成年後見制度は、利用する前に制度そのものやデメリットを知っておく必要があります。知らなかったばっかりにあとで後悔したり嫌な思いをしたりしないよう気をつけなければなりません。
今後、認知症になるかどうかなど分かりませんが、判断能力が低下してきた時に、誰かに自分の代わりを行ってもらわなければならないことがあります。
身内だからといって、本人の代わりが何でも出来るわけではありません。ですから、堂々と代理人として行えるような権限が必要です。それが後見人などですが、後見人になるにはこの成年後見制度を利用するありしかありません。
しかし良くわからない状態で後見人等になってしまったり、誰かに依頼してしまったりして、後で悔やむこともあります。
一度ついた後見人は辞めることも辞めさせることもできない
「金融機関などから後見人をつけるように言われた」という理由で成年後見制度を利用する人がいますが、本当に今必要なのでしょうか。
一口に「認知症」といっても判断力の程度も状態もさまざまです。あえて後見人を付ける必要がないにもかかわらず、第三者から言われてつけてしまうケースは多々あります。
しかし、一度ついた後見人を外すことはできません。身内が後見人になったのなら、本人が亡くなるまでずっと後見人として支援していかなければなりません。
もし専門家が後見人になったときには、その専門家と家族の相性が合わなくてもチェンジしてもらうことは難しいのです。
しかも、専門家が後見人になると、報酬が必要になります。
後見人をつけるタイミングも含め、本当に今必要なのか、デメリットはどのようなものかなど、わかったうえでの活用が望ましいものです。
本人の判断能力が低下してしまったときに慌ててつけるのではなく、「もしも」に備えて後見制度は知っておくと安心です。
今回は、年齢的に本人対策としてのお話がメインでしたので、もしも自分自身が認知症になってしまったときに、家族がどのようなことで困るのかについてお話してきました。
次回は、遺言書や相続手続きのお話をしてきます。
2014年10月7日(火)龍ヶ崎市役所(茨城県龍ヶ崎市)
成年後見制度について学ぼう