家族えんまん相続協会主催|生前対策セミナーの様子
目次
老いじたく入門~家族が認知症になって困ること
東京都国立市で生前対策セミナーとして、「老い支度入門~家族が認知症になって困ること」についてのセミナー講師を60分、パネルディスカッションを60分行ってきました。
今回は、知人の税理士先生が所属している一般社団法人家族えんまん相続協会からの依頼で、会場には50人超の方々がいらっしゃったようです。
第1部でセミナーを行い、第2部はパネルディスカッションで税理士先生の司会進行のもと、弁護士先生と司法書士先生と私の3人で、よくある相続トラブル事例などについてお話をしてきました。
パネルディスカッションではよくあるトラブル事例について図などで示しながら持ち回りで事例を紹介したり、専門家それぞれの立場で意見や対策を述べたり、受講していただいた方からの質問に答えたりなども行いました。
セミナーもさながら、各専門家目線でのパネルディスカッションは、受講者にとっても有意義な時間になったのではと思います。
相続で問題になるのが、認知症の相続人がいる場合
「相続」で問題になるのが、認知症や知的障がいなどによって判断力がない人がいるケースです。
相続の対策をしてほしくても、父が認知症になってしまいもう対策ができないとか、父が亡くなったときに母が認知症で遺産分割ができないなどがそうです。
ここで注意すべきなのは、「認知症だから」ではありません。認知症といえども、判断力はそれぞれ違います。
「認知症」≠「判断力がない」ということです。
よく、認知症だと対策ができないとか、認知症だから遺産分割協議ができないなどという専門家がいますが、そうではありません。本人と面談してみると、問題なく行えることもあるのです。
今後認知症になるかどうかわからないけれど、もしも認知症になってしまったときには、本人も家族もどのようなことが困るのか、知っておくと今からすべきことが見えてきます。
それが分かれば、本人は今から対策することができます。家族としては、本人が対策してくれなかったときにどのような出来事が家族に起こり困るのかがわかります。
本人が今からできること、家族が困ることを知っておくとよい
いろいろな人と話をしていると、「自分の親は、なぜ困るのか、どのようなことで困るのかが解らないから対策の必要性を感じてもらえれない」といいます。
対策は本人に行ってもらわなければなりませんから、家族が困るのがわかっているのなら、対策をしてもらいたいものです。
このように、本人に対策の必要性を理解してもらわなければ、家族としては困ってしまうわけですが、家族がそれを説明できるかというと、なかなか難しいものです。
一番良いのは専門家から言ってもらうことですが、いきなり対面で説明されるのは抵抗があるものですから、セミナーで話を聞いてもらうのが一番です。
とはいえ、連れ出すのが難しいという部分はありますが。
今回は60分という短い時間のため、深くお話しすることはできませんでしたが、「老い支度入門~家族が認知症になって困ること」セミナーでは、今後認知症になるかどうかわからないけれど、もしも認知症になってしまったときにどのような困り事やトラブルが起こるのか、それによって本人も家族もどのようなことで困るのか、そして今から考えておきたいことや本人が行っておきたい準備対策について話をしてきました。
2014年11月16日(日)一般社団法人家族えんまん相続協会(東京都国立市)
老い支度入門~家族が認知症になって困ること~