終活や相続の資格保持者はそんなにすごいのか?
目次
シニアのお客様相談には幅広い知識が求められる
専門家向け研修として「5時間で学べる相続対策~後見・遺言・葬儀・エンディングノート」の講師を都内で行ってきました。
シニアを相手にするということは、幅広い知識が求められるということです。
生きている先には死があるわけですから、生きているときのこと、死亡したときのこと、死後のことについてある程度知っておいた方がよいわけです。
もちろん各々の専門家がいるわけですから、その専門部分は専門家に行ってもらいますが、お客様のニーズはいきなり踏み込んだ専門的なものばかりではありません。
誰に相談すればよいのか分からない中、いきなり専門分野の先生に専門的なことを相談するケースばかりではないということです。
かといって、「それは税金ですから税理士に。それは年金ですから社労士に・・・」というのではまるで子供の使い。「いざとなったら専門家を紹介すればいい」と言う人もいますが、そんなに簡単なものではありません。
頼まれた先生だって気の毒というものです。
終活や相続の資格をもっているのがそんなにすごいのだろうか
それにしても、最近名刺交換すると、終活や相続資格の肩書が入っている人が本当に多くいます。
でも、個人的に思うのです。1日や数日受講すればもらえる肩書がそんなにすごくて偉いのだろうかと。
交流会などで名刺交換すると、「私、終活〇〇なんです。あなたも同じような事やっているんですね。」と言われたり、「あなたはなんで相続〇〇を取得しないんですか?」、「あなたも一緒に終活(相続)の活動に入れてあげますよ」などと言われます。
いきなり上から目線で話されることもありますし、同業だからと敵対心をもたれることもあります。終活が話題になってから取得した人や相続実務を行っていない人と一緒にしてほしくないものです。
そもそも何のためにその資格を名乗っているのだろうか
失礼を承知のうえで全員がそうではないという前提ですが、そもそも終活や相続に詳しくないからこそ、それを学び資格を取得しているのではないでしょうか。
そして、そもそも何のためにその肩書を名のっているのだろうかと思うのです。
単に終活や相続の話題がしやすいために名刺に載せたいのか、その資格の業を成して行きたいのか。人それぞれ目的は違うと思いますが、何かしらの目的があるからこそ終活や相続の資格を取得し名刺に載せているのでしょう。
終活資格を活かそうとしている人、体裁が欲しい人
今回のセミナーの受講者でも、終活や相続の資格をお持ちの方が数人いらっしゃいました。
有料の講座を受講するくらいですから、一生懸命メモを取ったりうなづきながら聞いているなど、とても熱心な人たちです。
終活資格を取得したのは、現在持っている資格にプラスして自分が行いたいことがあるようで、いろいろな勉強をしているという話をよく聞きます。
まずは第一歩としていろいろ勉強している人もいます。資格取得をきっかけに、いろいろと知識を吸収している人もいっぱいいます。
そのような方々の一生懸命さに刺激を受けることもあります。
あつーく語る勢いに圧倒されながらも、その熱心さがうらやましく思うこともあります。
その反面、終活資格だけ取得し、終活に精通しているかの如き発言をする人もいます。
何がしたいのか、何ができるのか
結局はその人次第で、今後、どう行っていくのか、そもそも何がしたいのか、自分は何ができるのかが明確になっていなければ、模索しているだけで先に進むことは難しいのではないのでしょうか。
新しくできた終活や相続の資格をアピールしたり、専門家を紹介できる旨を一生懸命アピールするよりも、自身の得意分野や実績、経験をアピールする事のほうが大事なのではないかと思うのです。
資格取得がスタート地点。よく言われる言葉ですが、そこからスキルアップしていくことはとても大切なことです。
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