兵庫県金融広報委員会主催|市民向け終活セミナー講師の様子
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見落としがちな老い支度と終活準備セミナーの様子|講師:明石久美
兵庫県金融広報委員会からの依頼で、「見落としがちな老い支度と終活準備~意外と知らない後見・葬儀・お墓・死後のお金について」のセミナーを90分行ってきました。2年前にご依頼をいただいたことがあり、再びお話する機会をいただけました。ありがたいことです。
2部制で、私が1部、2部は他の先生が担当するため、2部の先生がお話するエンディングノートと相続手続きを除いた相続対策を担当することになりました。
相続対策=マネーの対策ではなく、誰にでも関係する対策もある
相続対策というと、税金や不動産などの対策というイメージがを持つ人が多いのですが、実際、相続税対策が必要な人はそれほど多くありません。
まして不動産や保険を活用した対策ができる人ばかりではありませんので、一般の人がごく普通にできるような対策に焦点を当てたほうが、話を聞いても自分事として捉えてくれるものです。
ですので、相続対策=マネー対策ではなく、一般的には相続対策から除外されてしまうことについて話をしてきました。
相続でもめる原因は、不平等です。仮に親が介護状態になってしまったときに誰が面倒を見るのか。施設で見てもらえるとは限らず、子供たちが親の面倒を見なければならないケースは普通にあります。
そのときに、きょうだいが平等公平に親の介護ができるかというと、それは難しいことです。結局どちらか一方に負担がのし掛かってしまい、私ばかりという不満が膨らむかもしれません。
親は自分が介護状態になったら子供たちにどんなことで迷惑をかけるのかなど、あまり考えませんし考えたくないものです。しかし、親の介護がきっかけで、一人の子に負担がかかるのなら、その子への感謝の気持ちをどうするのか考えておくことも大切です。
子供としても、親の介護で自分が面倒を見る立場になるのなら、事前に大変さが軽減されるような情報があったほうがよいのではないでしょうか。
日常に起こる出来事の対策も必要
親が死亡したあとのこともそうです。誰が、どこから費用を負担するのか、それほど多くない財産をどのように分けるのかなど、いろいろなことを行っていくなかで、「こんなことなら事前に知っていれば」ということだってあります。
そのような日常に起こる出来事の対策も必要なのです。
親が死亡すれば、財産があろうとなかろうと相続が発生します。財産を分けるということは、今までのことや今後のこと、相続人達の思いなど、複雑な感情が絡み合う場でもあります。
ですから、「相続対策」ととらえず「子供たちが嫌な思いをしないための配慮」と思えばよいのです。その、ちょっとした配慮にはどのようなことがあるのかを知っておくことで、相続対策にもつながります。
子供たちには子供達の生活がありますから、家族といえども、子供が幼少期だった時のような関係ではないのですから、親として独立している子供達のために、今後のことに目を向けておきたいものです。
2015年3月14日 兵庫県金融広報委員会(西宮市)
見落としがちな老い支度と終活準備~意外と知らない後見・葬儀・お墓・死後のお金について