シニア世代の相談3|おひとりさま相談に役立つ「見守り契約」とアドバイスのポイント
目次
おひとりさまが行っておきたい準備
シニア世代で身内がいない人や身内がいても頼れない事情がある人にとって、今後自分に何かあった時のことは気になるものです。
病気、認知症、介護など生きている間に起こるかもしれないことのみならず、自分が亡くなったときの葬儀、納骨、遺品の整理などに関して、誰かに行ってもらわなければならないためです。
その準備として、見守り契約、任意代理契約、任意後見契約、死後事務委任契約、公正証書遺言などを用いて、行ってくれる相手先へ依頼しておくことができます。
おひとりさまや子がいない夫婦の相談を受けたときには、これらの契約などの説明ができるよう、知識を持っておきたいものです。
今回は「見守り契約」について、契約の概要と注意点について解説します。
現状態に気づいてもらう必要がある
認知症はある日突然なるわけではありません。判断能力の低下をいち早く知るには、誰かに気づいてもらわなければなりません。もし判断力が低下した場合には、介護の申請なども行ってもらう必要があります。
何よりも、判断力の低下によって、生活環境が悪くなってしまったり、悪質な業者に騙されてしまったりする可能性もあります。
おひとりさまの場合は特に、認知症など判断力の低下だけではなく、自宅で倒れてしまい発見されなかったらという不安を持っている人も多くいます。
そのため、元気なうちから見守ってもらったほうが安心と思う人もいます。
どのように見守ってもらうか
本人が友人等との交流が頻繁にあるならその人達がある程度見守ってくれるでしょうし、福祉関係の人たちの支援を受けることができることもあります。
しかし、友人等との交流があまりない場合には、室内に機器を設置して見守ってもらいたい人もいます。
必ずしも「見守り契約」で見守らなければならないわけではありません。ほかの人が見守ってくれるならそれでも良いのです。
とはいえ、友人等や福祉関係の人たちに支援してもらうにしても限度があるため、誰にどこまで頼るのかも考えておく必要があります。
見守り契約でできること
見守り契約は、見守ってもらいたい人と「見守り契約」を結びます。
契約の内容は、定期的な電話連絡や面談によって生活及び身心の健康状態を把握してもらったり、介護・福祉サービス契約の締結を必要とする状況ではないかの確認してもらったり、認知症の発症が疑われる状態の場合は関係機関に対応措置の要請してもらったりなどです。
電話で連絡を取っていても認知症になっていることに気付かないこともありますから、大抵は、本人から定期的に電話連絡をもらうようにします。
また、定期的に訪問し心身の状態や生活環境を把握するなど、実際に目で見て確認する機会も必要ですので、定期的な面談も行います。
アドバイスのポイント
見守り契約を締結してもすぐに発効させず、「意思表示をしたときから」にすることができます。大抵の人は元気な時に今後の準備をしたいため、今すぐ見守りが必要な人ばかりではありません。
当面は友人や福祉関係の方に見守りをしてもらう人もいますし、室内に機器を設置して見守りを行ってもらうという人もいます。
見守り契約を発効させると月額数千円の費用が発生します。その費用を極力抑えたい人もいるため、当面は代替案で行いたい人もいるからです。
見守りが不要と思う人もいますが、単に様子を確認するだけではなく本人の困りごとに対してサポートしたりもするため、契約をしておけばいざという時に困らずに済みます。
将来のことははわかりませんが、いざという時に自分の状態を見守ってもらえる契約があると、不安が和らぎます。
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